SES・SIer・自社開発の違いと働き方を比較
IT業界の職種図鑑【全職種の仕事内容と年収】
SES・SIer・自社開発の違いと働き方を比較
IT業界でのキャリアを考える際、SES、SIer、自社開発という3つの働き方の違いを理解することは非常に重要です。それぞれの特徴やメリット・デメリットを知ることで、自分に最適なキャリアパスを選択できます。本記事では、これら3つの働き方を徹底比較し、あなたに合った選択をサポートします。
SES・SIer・自社開発の基本的な違い
IT業界には主に3つの働き方があり、それぞれビジネスモデルや働く環境が大きく異なります。
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアをクライアント企業に提供し、技術支援を行う契約形態です。派遣と混同されがちですが、SESは雇用元企業の指揮命令によって業務を行う点が異なります。エンジニアはクライアント企業に常駐し、そこで開発プロジェクトに参加します。
SIer(システムインテグレーター)は、他社からシステム開発を受託し、企画から設計、開発、運用まで一貫して請け負う企業です。大規模なシステム開発プロジェクトが多く、複数のエンジニアがチームで協力して開発を進めます。多くの場合、要件定義や設計などの上流工程を担当します。
自社開発は、自社が提供する製品やサービスを、企画から開発、リリース、運用まですべて自社内で一貫して行う働き方です。クライアントが存在せず、自社のビジネスを成長させるための開発を行います。
これらの違いを理解することで、IT企業の種類と選び方をより深く検討できるようになります。
それぞれの働き方の特徴とメリット
SESの特徴とメリット
SESの最大の特徴は、多様な現場経験を積めることです。様々な業界・企業のプロジェクトに参加することで、幅広い技術スタックや開発手法に触れる機会があります。

未経験者や経験が浅いエンジニアにとって、SESは実践的なスキルを身につける絶好の場です。様々なプロジェクトを経験することで、自分の適性や興味のある分野を見つけやすくなります。実際、未経験からのIT転職を目指す方の多くがSESからキャリアをスタートしています。
また、案件によっては最新技術に触れる機会もあり、技術トレンドを肌で感じながら成長できます。
SIerの特徴とメリット
SIerの大きな特徴は、大規模なシステム開発プロジェクトに携われることです。金融機関、官公庁、大手企業などのミッションクリティカルなシステム開発に関わる機会が多く、社会的影響力の大きな仕事ができます。
チームワークやコミュニケーション能力を磨くには最適な環境です。多くのエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーと協力して開発を進めるため、コラボレーションスキルが自然と身につきます。
また、上流工程の経験を積むことで、ITエンジニアのキャリアパスにおいて重要な要件定義や設計のスキルを習得できます。将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指す方には、SIerでの経験が大きな強みになります。
自社開発の特徴とメリット
自社開発の最大の魅力は、自分が作ったサービスが世の中に広がり、多くの人に利用される喜びを直接感じられることです。ユーザーからのフィードバックを直接受け取り、それを次の開発に活かせるサイクルが、大きなモチベーションになります。
技術志向のエンジニアにとって、自社開発は理想的な環境です。最新技術を積極的に取り入れやすく、技術的な挑戦がしやすい環境が整っています。また、長期的に同じプロダクトに関わることで、深い専門知識と経験を積むことができます。
労働環境も比較的安定しており、リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方を導入している企業が多いのも特徴です。IT転職の働き方ガイドでも、自社開発企業のワークライフバランスの良さが注目されています。
デメリットと注意点の比較
SESのデメリットと注意点
SESの大きな課題は、エンジニアがクライアント企業に常駐するため、自社との関わりが薄れることです。単独で派遣される場合、現場で孤立感を感じることもあります。

プロジェクト終了後、次のプロジェクトが決まるまで待機期間が発生し、収入に影響を生じるケースもあります。また、案件選定の透明性や単価の公正性について、不安を感じるエンジニアも少なくありません。
スキルアップの面では、案件によっては単純作業やレガシー技術の保守に終始してしまい、キャリアの成長が停滞するリスクがあります。そのため、案件選びや自己学習が非常に重要になります。
SIerのデメリットと注意点
SIerでは、実際にコードを書く機会が少なく、上流工程と調整業務が中心になることが多いです。開発者としての技術力を高めたいエンジニアにとっては、物足りなさを感じることがあります。
クライアント都合のスケジュールで動くため、納期前の残業が多くなったり、急な仕様変更に対応する必要があったりと、働き方が不安定になることもあります。
また、大規模プロジェクトでは、自分が担当する範囲が限定的になり、全体像が見えにくくなることがあります。これにより、プロダクト全体への理解が深まりにくいという課題があります。
自社開発のデメリットと注意点
自社開発では、ビジネス判断で「作らない」という選択がされることもあります。開発志向が強すぎるエンジニアにとっては、この判断がストレスになることがあります。
入社難易度が高いことも自社開発企業の特徴です。人気企業への転職は競争が激しく、高いスキルレベルや実績が求められます。IT転職の面接対策をしっかり行うことが重要です。
また、自社サービスが成長しない場合、事業縮小やピボットが起こる可能性があり、キャリアの安定性に影響することもあります。
キャリア別のおすすめの選び方
キャリアステージ | おすすめの働き方 | 理由 |
|---|---|---|
未経験・初心者 | SES | 多様な現場経験を積める。実践的なスキル習得に最適 |
経験2-3年 | SIer | 大規模プロジェクトで上流工程を学べる。チームワーク強化 |
経験5年以上 | 自社開発 | 技術的な深掘りが可能。裁量が大きく、やりがいが高い |
フリーランス志向 | SES → フリー | 案件獲得のネットワーク構築。契約形態に慣れる |
日本のIT人材の需給ギャップは約30万人に達しており、2025年には22万人のIT専門家不足が予測されています。中途採用が全求人の37%以上を占め、IT業界では候補者優位の市場となっているため、キャリア選択の幅は広がっています。
技術志向が強く、最新技術に触れたい方は自社開発がおすすめです。一方、ビジネススキルやマネジメントスキルを磨きたい方はSIerでの経験が有効です。IT業界の職種図鑑で、それぞれの働き方に適した職種を確認できます。
働き方の実態と労働環境
勤務形態と柔軟性
自社開発企業の約50%がリモートワークを実施しており、フレックスタイム制度や副業・兼業の受け入れも拡大しています。SIerやSESでも、クライアント企業の方針によってはリモート勤務が可能なケースが増えています。

ワークライフバランスの面では、自社開発が最も安定しており、SIerは案件の状況により変動、SESは常駐先の環境に大きく依存します。
年収と待遇
IT業界の年収ガイドによると、平均年収は自社開発が最も高く、次いでSIer、SESの順になる傾向があります。ただし、個人のスキルレベルや担当する案件によって大きく変動します。
AI/機械学習エンジニアやクラウドアーキテクトなど、最先端技術の専門家は、経験豊富なプロフェッショナルで年収1000万円以上を得ている例も増えています。
キャリアパスと成長機会
SESでは幅広い経験を積むことでジェネラリストとして成長し、その後SIerや自社開発企業への転職、あるいはフリーランスエンジニアへの転身という選択肢があります。
SIerでは上流工程の経験を活かし、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントへとキャリアアップする道が開けます。自社開発では、技術を深めてテックリードやCTOを目指すか、プロダクトマネージャーとしてビジネス側に軸足を移すことも可能です。
転職活動での選択ポイント
企業選びのチェックリスト
IT企業を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう:
- 技術環境: 使用している技術スタックと学習機会
- プロジェクトの多様性: 様々な業界・規模のプロジェクトに関われるか
- 教育制度: 研修制度や資格取得支援の有無
- 評価制度: 透明性のある評価基準と昇給システム
- 労働環境: リモートワーク、残業時間、有給取得率
IT転職エージェント徹底比較を活用すれば、これらの情報を効率的に収集できます。
面接でのアピールポイント
SESを志望する場合は、学習意欲と適応力をアピールしましょう。SIerでは、コミュニケーション能力とチームワークの経験を強調します。自社開発では、技術への情熱とプロダクト志向を前面に出すことが効果的です。
それぞれの企業が求める人物像を理解し、自分の経験とスキルを適切にマッチングさせることが、成功する転職のカギです。
まとめ:あなたに最適な働き方を見つけよう
SES、SIer、自社開発は、それぞれに明確な特徴とメリット・デメリットがあります。未経験者は多様な経験が積めるSESから、ビジネススキルを磨きたい方はSIerで、技術を深めたい方は自社開発を選ぶのが一般的なキャリアパスです。
重要なのは、自分のキャリアビジョンと価値観に合った選択をすることです。技術志向か、ビジネス志向か、安定性か、挑戦か――自分が何を大切にしたいかを明確にしましょう。
IT業界では人材不足が続いており、エンジニアにとって有利な転職市場が続いています。IT転職の完全ガイドを参考に、自分に最適な働き方を見つけて、充実したキャリアを築いていきましょう。



