社内SE(情シス)の仕事内容・年収・メリットデメリット
IT業界の職種図鑑【全職種の仕事内容と年収】
社内SE(情シス)の仕事内容・年収・メリットデメリット
社内SE(情報システム部門)は、企業内のITシステム全般を管理・運用する重要な職種です。近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の重要性が高まる中、社内SEの役割はますます注目されています。本記事では、社内SEの具体的な仕事内容、年収相場、そしてメリット・デメリットについて詳しく解説します。
IT転職の完全ガイドでは、IT業界全体の転職情報を網羅していますが、ここでは社内SEに特化した情報をお届けします。
社内SEとは?情シスとの違い
社内SEと情シス(情報システム部門)は、ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には若干の違いがあります。社内SEは「社内システムエンジニア」の略称で、主にシステム開発や技術面を担当する役割を指します。一方、情シスは部門名として使われることが多く、より広範な業務を含みます。
IT業界の職種図鑑でも解説していますが、社内SEは以下のような特徴を持つ職種です:
- 内製開発と外注管理:自社でシステム開発を行うこともあれば、外部ベンダーに委託することもあります
- マルチタスク対応:開発だけでなく、運用・保守・サポート業務も担当します
- ビジネス理解:自社の業務フローを深く理解し、最適なシステムを提案します
社内SEは、IT技術とビジネスの架け橋となる重要なポジションといえるでしょう。
社内SEの主な仕事内容
社内SEの業務は多岐にわたりますが、主に以下の6つのカテゴリーに分類できます。

1. システム企画・開発
新しい業務システムやアプリケーションの企画・開発が中心業務の一つです。経営層や各部門からの要望をヒアリングし、業務効率化やコスト削減につながるシステムを設計します。SE(システムエンジニア)転職の完全ガイドで紹介されている一般的なSEとは異なり、社内SEは自社のビジネスモデルを深く理解した上でシステム設計を行う点が特徴です。
具体的には、RFP(提案依頼書)の作成、ベンダー選定、要件定義、プロジェクト管理などを担当します。
2. システム運用・保守
既存システムの安定稼働を維持するための運用・保守業務も重要な仕事です。システムの監視、バックアップ管理、パフォーマンスチューニング、障害対応などを日常的に行います。
社内システムが停止すると全社の業務が止まってしまうため、24時間365日の安定稼働が求められます。そのため、夜間・休日対応が必要になることもあります。
3. ヘルプデスク・社内サポート
社員からのIT関連の問い合わせ対応も社内SEの重要な業務です。パソコンのトラブルシューティング、ソフトウェアの使い方説明、アカウント管理などを行います。
IT転職エージェント徹底比較によれば、ヘルプデスク業務の割合は企業によって大きく異なり、専任のヘルプデスクチームがある大企業と、社内SE自身が対応する中小企業があります。
4. インフラ管理・セキュリティ対策
ネットワークインフラの構築・管理、サーバー管理、セキュリティ対策も社内SEの担当範囲です。クラウドサービス(AWS、Azure、Google Cloudなど)の導入・管理、ファイアウォール設定、ウイルス対策ソフトの管理などを行います。
近年、サイバーセキュリティの重要性が高まっており、情報漏洩対策やコンプライアンス対応も重要な業務となっています。
5. IT資産管理
社内のIT資産(パソコン、タブレット、スマートフォン、ソフトウェアライセンスなど)を適切に管理します。新入社員へのデバイス支給、退職者からの回収、ライセンス契約の更新管理などを行います。
IT資産の棚卸しやコスト管理も重要な業務の一つです。
6. ITリテラシー教育
社員のITリテラシー向上のための教育・研修も社内SEの役割です。新しいシステムの使い方講習会、セキュリティ教育、業務効率化ツールの活用方法などを教えます。
ITエンジニアのスキルアップ戦略で紹介されているような最新技術を社内に展開する役割も担います。
社内SEの年収相場
社内SEの年収は、年齢・経験・企業規模・業界によって大きく異なります。以下に詳しく見ていきましょう。

年齢別の平均年収
年代 | 平均年収 | 年収レンジ |
|---|---|---|
20代 | 約442万円 | 350万円~550万円 |
30代 | 約539万円 | 450万円~700万円 |
40代 | 約640万円 | 550万円~900万円 |
50代 | 約720万円 | 600万円~1,000万円以上 |
IT業界の年収ガイドでも詳しく解説していますが、社内SEの20代平均年収は約442万円、30代では539万円まで上昇します。経験を積み、マネジメントポジションに就くことで、40代以降はさらに年収が上がる傾向にあります。
企業規模別の年収差
大手企業の社内SEは、中小企業と比べて年収が高い傾向にあります:
- 大手企業(従業員1,000人以上):平均600万円~800万円
- 中堅企業(従業員300~1,000人):平均500万円~650万円
- 中小企業(従業員300人未満):平均400万円~550万円
ただし、中小企業では裁量権が大きく、幅広い経験を積めるというメリットもあります。
業界別の年収傾向
社内SEの年収は、所属する企業の業界によっても変わります:
- 金融・保険業界:平均650万円~900万円(高水準)
- 製造業(メーカー):平均550万円~750万円
- 商社・流通業:平均500万円~700万円
- IT・通信業界:平均600万円~1,000万円以上
- サービス業:平均450万円~600万円
IT企業でIT戦略を担当するような高度な業務を行う場合は、年収1,000万円を超えることもあります。DX・AI時代のIT転職戦略で紹介されているように、DX推進を主導する社内SEは特に高年収を期待できます。
年収アップのポイント
社内SEとして年収を上げるには、以下のようなスキルや経験が重要です:
- 上流工程の経験:要件定義、システム企画など
- プロジェクトマネジメントスキル:PMPなどの資格取得
- 専門技術の習得:クラウド(AWS認定など)、セキュリティ(情報処理安全確保支援士など)
- ビジネススキル:経営視点でのIT戦略立案能力
IT資格で転職を有利にする完全ガイドでは、年収アップに役立つ資格について詳しく解説しています。
社内SEのメリット
社内SEとして働くことには、以下のような多くのメリットがあります。

1. ワークライフバランスが取りやすい
SIerや受託開発企業と比較して、社内SEは比較的ワークライフバランスを保ちやすい傾向にあります。クライアント対応による急な仕様変更や納期に追われることが少なく、計画的に業務を進められるケースが多いです。
ただし、これは企業や部署によって異なるため、IT転職の面接対策完全マニュアルを参考に、面接時に労働環境をしっかり確認することが重要です。
2. ビジネスの上流工程に携われる
自社のビジネス課題を直接解決するため、経営層や各部門のキーパーソンと密にコミュニケーションを取る機会が多くあります。IT技術を使ってビジネスを成長させる実感を得やすく、やりがいを感じられます。
自分が企画・開発したシステムが実際に社内で稼働し、社内業務の生産性が上がった際には大きな達成感を得られます。
3. 幅広い技術・業務知識が身につく
社内SEは、開発だけでなく、インフラ、セキュリティ、運用、ヘルプデスクなど幅広い業務を担当します。そのため、IT全般の知識を広く身につけることができます。
また、自社の業務フローや業界知識も深く理解できるため、ITとビジネスの両面でのスキルアップが可能です。
4. 勤務場所の安定性
SIerでは客先常駐が多いですが、社内SEは基本的に自社オフィスで勤務します。勤務場所が固定されるため、通勤時間や環境が安定し、プライベートの計画も立てやすくなります。
IT企業の種類と選び方でも解説していますが、客先常駐のないポジションを希望する方には社内SEが最適です。
5. 長期的なキャリア形成
一つの企業で長期間働くことで、その企業のビジネスモデルやシステムに精通した専門家になれます。異動や転勤が少なく、腰を据えてキャリアを築けます。
社内の信頼を得られれば、CIO(最高情報責任者)などの経営層へのキャリアパスも見えてきます。
社内SEのデメリット
一方で、社内SEには以下のようなデメリットもあります。転職を検討する際は、これらの点も考慮する必要があります。

1. 専門性が浅くなりがち
幅広い業務を担当する反面、特定の技術を深く追求する機会が少なくなる傾向があります。専門性に特化したSEと比べると、スキルの深さでは劣る可能性があります。
特に、最新技術のキャッチアップが遅れがちで、市場価値の低下リスクがあります。プログラミング言語別IT転職ガイドで紹介されているような最新言語の習得機会が限られることもあります。
2. 雑務・問い合わせ対応に時間を取られる
社員からのIT関連の相談や質問に対応する時間が多く、本来やりたかったシステム開発や企画業務に集中できないことがあります。「パソコンが動かない」「パスワードを忘れた」といった簡単な問い合わせ対応に追われるケースも少なくありません。
特に社内SEの人数が少ない企業では、一人が多くの役割を担うため、日々の業務に追われて新しいことに挑戦する時間が取れないこともあります。
3. 評価されにくい
社内SEの仕事は「システムが正常に動いて当たり前」と思われがちで、トラブルがなければ評価されにくい側面があります。営業部門のように数字で成果を示しにくく、貢献が見えにくいため、社内での評価や昇進が遅れることもあります。
システムダウンなどのトラブル時には批判されやすい一方で、日常的な安定稼働への貢献は認識されにくいというジレンマがあります。
4. 年収の上限が限られる場合がある
専門性の高いエンジニアや、プロジェクトマネージャーと比較すると、社内SEの年収上限は低めに設定されている企業もあります。特に、IT企業以外の一般事業会社では、IT部門の予算や給与水準が限られていることがあります。
ただし、これは企業によって大きく異なるため、IT転職の年代別攻略ガイドを参考に、キャリアプランに合った企業選びが重要です。
5. 最新技術に触れる機会が少ない
自社の既存システムの運用・保守が中心になると、最新技術を使ったプロジェクトに携わる機会が減ります。レガシーシステムのメンテナンスばかりで、スキルが時代遅れになるリスクもあります。
特にIT投資に消極的な企業では、新しい技術やツールの導入が遅れ、エンジニアとしての成長機会が限られることがあります。
6. 企業依存のスキルセット
特定の企業の業務システムや社内ルールに特化したスキルが中心になると、転職市場での汎用性が低くなる可能性があります。他社で通用するポータブルスキルを意識的に磨く必要があります。
社内SEに向いている人・向いていない人
社内SEに向いている人
- コミュニケーション能力が高い人:社内の様々な部門とやり取りする機会が多いため
- マルチタスクが得意な人:同時に複数の業務や問い合わせに対応する必要がある
- ビジネス志向の強い人:技術だけでなく、ビジネス課題の解決に関心がある
- 安定志向の人:一つの企業で長く働きたい、勤務地を固定したい
- 幅広く学ぶことが好きな人:様々な技術や業務知識を習得することに興味がある
社内SEに向いていない人
- 専門技術を極めたい人:特定の技術分野を深く追求したいエンジニア
- 最新技術に常に触れていたい人:常に最先端のプロジェクトに携わりたい
- 高収入を最優先する人:フリーランスや外資系ITと比べると年収上限が低い場合がある
- 単独で黙々と開発したい人:頻繁なコミュニケーションや割り込み対応が苦手な人
未経験からのIT転職完全攻略でも触れていますが、自分の性格やキャリアゴールに合った職種選びが重要です。
社内SEへの転職を成功させるポイント
社内SEへの転職を検討している方は、以下のポイントを押さえましょう。

1. 求人内容の詳細確認
同じ「社内SE」という職種名でも、企業によって業務内容は大きく異なります。システム企画・開発が中心なのか、運用・保守が中心なのか、ヘルプデスク業務の割合はどれくらいかを事前に確認しましょう。
IT転職の履歴書・職務経歴書の書き方ガイドを参考に、自分の希望する業務内容に合った求人を見極めることが大切です。
2. IT投資への姿勢を確認
企業がITへの投資に前向きかどうかは、社内SEの働きやすさに大きく影響します。経営層がITの重要性を理解し、適切な予算を確保している企業を選びましょう。
DX推進に積極的な企業であれば、新しい技術に触れる機会も多く、キャリアアップのチャンスが広がります。
3. 社内SEの人数・体制を把握
社内SEが一人しかいない企業では、すべての業務を一人で担当することになり、負担が大きくなります。一方、チーム体制が整っている企業では、役割分担ができ、専門性を高めやすくなります。
面接時に、IT部門の組織図や人数構成を確認することをおすすめします。
4. キャリアパスの確認
社内SEとして入社した後のキャリアパスがどうなっているかを確認しましょう。ITマネージャー、CIOへの昇進可能性や、スペシャリストとしての道があるかなど、長期的なキャリア形成の視点が重要です。
5. 転職エージェントの活用
社内SEの求人は、一般的な求人サイトには掲載されていない非公開求人も多くあります。IT業界に特化した転職エージェントを活用することで、優良な社内SE求人にアクセスできます。
複数のエージェントに登録し、幅広い選択肢の中から自分に合った企業を見つけることが成功の鍵です。
まとめ
社内SEは、IT技術とビジネスの架け橋となる重要な職種です。ワークライフバランスが取りやすく、ビジネスの上流工程に携われるというメリットがある一方で、専門性が浅くなりがちで、雑務に時間を取られるというデメリットもあります。
年収は年齢・経験・企業規模によって幅がありますが、20代で約442万円、30代で約539万円が平均的な水準です。高度な業務を担当すれば1,000万円を超えることも可能です。
社内SEへの転職を成功させるには、求人内容を詳細に確認し、企業のIT投資姿勢や組織体制をチェックすることが重要です。自分のキャリアゴールや働き方の希望に合った企業を選ぶことで、充実したキャリアを築くことができるでしょう。
フリーランスエンジニアへの転身ガイドでも紹介していますが、将来的にフリーランスとして独立する選択肢も視野に入れながら、社内SEとしての経験を積むことも一つの戦略です。
社内SEは、安定性とやりがいを両立できる魅力的なキャリアパスです。本記事を参考に、自分に合った社内SEの求人を見つけて、充実したIT転職を実現してください。



