退職届の書き方テンプレートと提出タイミング
IT転職の退職・入社準備ガイド
退職届の書き方テンプレートと提出タイミング
転職を決めた時に、退職届の書き方で悩んでいませんか?日本では退職届は形式が重要で、間違った書き方をすると会社とトラブルになる可能性もあります。このガイドでは、退職届の正しい書き方、テンプレート、提出タイミングを詳しく解説します。2024年の最新情報も含めて、退職プロセスを円滑に進めるための実践的な知識を提供します。
退職届と退職願の違い
退職届と退職願は、名前は似ていますが性質が全く異なる書類です。この違いを理解することが、正しい退職手続きの第一歩です。
退職願は、会社に「退職させてください」と願い出る書類です。あくまで願いであるため、会社が認めないと退職が成立しません。一度提出した退職願でも、会社が認めない場合は撤回できることがあります。
退職届は、退職が会社に認められた後に、「退職することを報告する」書類です。退職届を提出すると、基本的には退職が決定します。法律的には、退職届の提出から2週間後に退職が成立する(民法627条)とされています。
転職活動中で、まだ会社の承認を得ていない段階では「退職願」を提出し、内定が決定して会社から退職を認めてもらった後に「退職届」を提出するのが一般的な流れです。
退職届の基本的な書き方
退職届の書き方には、多くの企業が従う一定のフォーマットがあります。正式な書類だからこそ、細かい部分にも気を配る必要があります。

用紙と筆記具の選び方
用紙は白い便箋またはB5~A4サイズの白紙を使用します。退職届は正式な書類であるため、清潔で品質の良い用紙を選ぶことが重要です。多くの企業では手書きを期待していますが、PCで作成した場合は署名の部分だけを手書きにするのが一般的です。
筆記具は黒のボールペンまたは万年筆を使用します。鉛筆やシャープペンシルは避けてください。消える可能性のあるペンは公式な書類には適切ではありません。
構成要素と記載方法
退職届に必要な要素と、それぞれの記載方法を以下の表にまとめました。正確な記載が重要です。
項目 | 記載内容 | 例・備考 |
|---|---|---|
日付 | 提出日を記載(和暦または西暦) | 令和6年2月10日 または 2024年2月10日 |
--- | --- | --- |
宛名 | 企業名と代表取締役社長名 | 株式会社△△ 代表取締役社長 〇〇〇〇 様 |
頭語 | 私事または私儀 | 「私事」が一般的 |
本文冒頭 | 決まった文言 | 「このたび、一身上の都合により、△年△月△日をもって退職いたします。」 |
署名 | 氏名を記載 | 手書きが原則 |
日付(署名下) | 署名日を記載 | 提出日と同じ |
記載例のテンプレート
退職届の基本的なテンプレートは以下の通りです。この形式は多くの企業で受け入れられています:
重要なポイントは、退職理由に「一身上の都合」と記載することです。これは会社内での問題や経営方針に不満があった場合であっても、通常は「一身上の都合」と書きます。ネガティブな理由を書くと、後々トラブルになる可能性があります。
退職届の提出タイミング
退職届をいつ提出するかは、円滑な退職プロセスのために非常に重要です。提出タイミングを間違えると、会社との関係がこじれたり、引き継ぎが不十分になったりする可能性があります。

法律と就業規則の関係
民法第627条では、「雇用契約は、解約の申し出から2週間で成立する」とされています。つまり、法律上は2週間前に通知すれば退職できます。
しかし、多くの企業の就業規則では「退職日の1カ月前までに退職願を提出すること」と定めています。この場合、法律より就業規則が優先されます。必ず入社時の雇用契約書や就業規則を確認してください。
提出の流れと手順
正しい退職プロセスは以下の順序に従います:
- 上司への相談:退職届を提出する前に、直属の上司に退職を考えていることを相談します。この段階では非公式な相談であり、「退職願」はまだ提出しません。
- 退職願の提出:上司の承認を得て、正式に「退職願」を提出します。このときに退職希望日を伝えます。
- 人事との協議:退職日が会社と協議によって決定されます。引き継ぎのスケジュール、有給休暇の処理などが決まります。
- 退職届の提出:退職日が正式に決定した後、改めて「退職届」を提出します。退職届に記載する日付は、この決定された退職日になります。
タイミング選びの注意点
退職日を決める際には、会社の繁忙期を避けることが大切です。例えば:
- 年度末(3月)の人事異動時期は避ける
- 重要なプロジェクトの最中は避ける
- 上司が重要な責務を担っている時期は避ける
2024年の統計では、日本で約4.9%の労働者が転職を経験しており、退職を考える人は増加傾向にあります。しかし、円滑な退職は職場での評判を守り、入社後の退職金や雇用保険の手続きをスムーズにするために重要です。
退職届の提出先と方法
退職届をどこに、どのように提出するかも、正式な手続きの一部です。

提出先の決まり
退職届の宛名は「代表取締役社長」など企業の代表者名を書きます。しかし、実際に提出する相手は直属の上司です。いきなり人事部や経営層に提出することは避けてください。
- 直属の上司に提出する
- 上司が人事部に提出する
- 人事部で保管される
この流れが正式です。上司を飛ばして人事に提出すると、上司の信頼を失う可能性があります。
提出方法
提出方法は企業の慣例によって異なります:
手渡し:通常は直属の上司に手渡しで提出します。一対一で、プライバシーを確保できる場所で提出するのがマナーです。
郵送:退職届がどうしても手渡しできない場合は、内容証明郵便で郵送することもできます。特に、退職を伝えた後に上司が受け取らないような場合の最後の手段です。
メール:一般的には避けるべきですが、企業によってはメールで提出を認める場合もあります。事前に確認してください。
退職届の作成方法:手書き vs PC作成
退職届を作成する際、手書きするかPC作成するかも検討する必要があります。
手書きの利点
手書きで作成した退職届は、誠意が伝わりやすいという利点があります。詳しくはマイナビ転職やDODAの記事も参考になります。特に日本企業では、正式な書類は手書きが尊重される傾向があります。また、筆跡から人柄が伝わるという考えもあります。
手書きで作成する場合は、以下の点に注意します:
- 字の大きさを統一する
- 誤字脱字がないように丁寧に書く
- 訂正液は使わない(書き直す)
- ボールペンは黒を使用する
PC作成の利点
PC作成の場合は、以下の利点があります:
- 誤字脱字がない
- 見た目が整っている
- 複数部署への提出が容易
多くの企業では、PC作成に日付と署名だけ手書きする方法を採用しています。これは手書きの誠意とPC作成の実用性の両方を兼ね備えています。
よくある質問と注意点
退職届のテンプレートはどこで入手できるか?
マイナビ転職、DODA、Canvaなどの転職サイトやデザインツールで、無料の退職届・退職願テンプレートが提供されています。これらのテンプレートを活用すると、正式なフォーマットで簡単に作成できます。
退職理由に何と書くべき?
基本的には「一身上の都合により」と記載します。パワハラや給与面での不満など、ネガティブな理由があっても、この一言で統一するのが慣例です。詳しい理由は、退職後に質問されたときに口頭で説明する方がよいでしょう。
有給休暇は退職届の内容に含めるか?
退職届に有給休暇のことは記載しません。有給休暇の取得や消化については、別途人事部と相談します。法律上、従業員は有給休暇の取得を拒否されることはできません。
一度提出した退職届は撤回できるか?
退職届は退職願と異なり、法的には提出後の撤回が難しいです。ただし、会社側が同意すれば撤回することも不可能ではありません。提出前に十分に検討することが大切です。
退職届以降のステップ
退職届を提出した後も、やることが多くあります。
引き継ぎ業務の準備
退職日までの間に、現在の業務をすべて引き継がなくてはなりません。同僚や後任者に対して、以下の情報を整理して伝えます:
- 進行中のプロジェクトの進捗状況
- 顧客や取引先の担当情報
- 業務で使用するシステムやツールの操作方法
- 重要なファイルやデータの保管場所
退職金と最終給与
退職金の計算方法や支払い日時について、人事部から説明を受けます。企業によって計算方法は異なります。最終給与には、未払いの給与と退職金が含まれることが一般的です。
社会保険と税務手続き
退職日までに、以下の書類を準備します:
- 雇用保険の離職票
- 健康保険被保険者証
- 年金手帳
これらの書類は新しい勤務先での手続きに必要です。また、転職先に入社するまでに国民健康保険に加入する必要がある場合もあります。
IT転職での退職届提出のコツ
IT業界での転職の場合、いくつかの特別な配慮があります。
IT企業では人材の流動性が高く、退職はある程度受け入れられていますが、プロジェクトの最中の退職は特に注意が必要です。システム開発プロジェクトは数カ月単位で動くため、退職のタイミングでプロジェクトの進捗に大きな影響を与えることもあります。
IT転職の退職・入社準備ガイドでは、IT業界特有の退職プロセスについてさらに詳しく解説しています。また、IT転職エージェント徹底比較で、退職後の新しい職場選びについても参考にしてください。
まとめ
退職届は、退職願とは異なる正式な書類で、提出タイミングと記載内容が重要です。民法では2週間で成立しますが、多くの企業の就業規則では1カ月前までの提出が必要です。手書きまたはPC作成で誠意を示し、直属の上司に提出するという正式な手続きを守ることが、円滑な転職につながります。テンプレートを活用して正確に作成し、会社との良好な関係を保ちながら退職プロセスを進めましょう。



