フリーランスエンジニアの年収相場と月単価
IT業界の年収ガイド【職種別・企業別・年齢別】
フリーランスエンジニアの年収相場と月単価
フリーランスエンジニアとして独立を考える際、最も気になるのが「実際にどれくらい稼げるのか」という点ではないでしょうか。会社員エンジニアとして働きながら、フリーランスへの転身を検討している方にとって、年収相場や月単価の実態を知ることは、キャリア選択の重要な判断材料となります。
本記事では、フリーランスエンジニアの年収相場、月単価の決め方、手取り金額の計算方法、そして収入アップの戦略まで、実践的な情報を徹底解説します。フリーランスエンジニアへの転身ガイドと合わせて読むことで、より具体的なキャリアプランを立てることができるでしょう。
フリーランスエンジニアの平均年収と月単価の実態
フリーランスエンジニアの平均年収は約850万円とされています。これは会社員エンジニアの平均年収約580万円と比較すると、約1.5倍の水準です。ただし、この数字はあくまで平均値であり、個々のスキルレベル、経験年数、扱える技術スタックによって大きく変動します。

月単価で見ると、フリーランスエンジニアの平均時給は4,000~5,000円程度で、フルタイムで働いた場合、月収65~80万円程度が見込めます。現在のトレンド案件では、TypescriptやAWS・GCPなどのクラウドサービスを用いた開発案件で月額70~80万円が報酬のボリュームゾーンとなっています。
経験年数別の月単価目安
実務経験年数によって、達成可能な月単価には明確な目安があります。
経験年数 | 月単価目安 | 年収換算 | 必要なスキルレベル |
|---|---|---|---|
1~2年 | 30~50万円 | 360~600万円 | 基本的な開発スキル、実装経験 |
3~4年 | 50~70万円 | 600~840万円 | 一人で開発を完結できる、設計経験 |
5~7年 | 70~90万円 | 840~1,080万円 | アーキテクチャ設計、チームリード経験 |
8年以上 | 90~120万円以上 | 1,080~1,440万円以上 | プロジェクト全体の技術責任者レベル |
月単価50万円を達成するには実務経験3年程度、月単価80万円を目指すには5年以上の経験が必要とされています。また、IT業界の年収ガイドで詳しく解説していますが、職種によっても相場は異なります。
プログラミング言語別の単価差
使用できるプログラミング言語によって、月単価に最大20万円以上の差が生じることがあります。需要が高く、習得難易度が高い言語ほど高単価になる傾向があります。
高単価言語(月単価70~100万円)
- Go:マイクロサービス開発で需要増
- Python:AI・機械学習案件で高単価
- Scala:大規模システム開発で需要
- Kotlin:Androidアプリ開発の主流言語
中単価言語(月単価60~80万円)
- TypeScript/React:Web開発の標準
- Java:エンタープライズ案件で安定需要
- Swift:iOS開発案件
安定需要言語(月単価50~70万円)
- PHP:Web開発で案件数が多い
- Ruby:スタートアップ案件で需要
- C#:.NET開発案件
プログラミング言語別IT転職ガイドでは、各言語の市場価値について詳しく解説していますので、スキルアップの参考にしてください。
フリーランスエンジニアの月単価の決め方
フリーランスとして独立する際、適切な月単価を設定することは収入の安定と継続的な案件獲得の両立において極めて重要です。

人日単価を基準に設定する方法
フリーランスエンジニアが単価を決める際の基本は「人日単価」です。これは1日あたりの報酬額を意味し、以下の計算式で算出します。
例えば、月収80万円を目標とし、月に20日稼働する予定であれば、人日単価は4万円となります。案件によっては時間単価での契約もあるため、その場合は以下のように計算します。
上記の例では、時間単価は5,000円となります。この計算方法を基準に、自分のスキルレベルと市場相場を照らし合わせて調整していきましょう。
会社員時代の収入を基準にする考え方
フリーランスエンジニアが単価を決める際は、会社員時代の収入より高めを目標にすることが推奨されます。これには明確な理由があります。
フリーランスの場合、以下の費用を収入から自己負担する必要があります。
- 国民健康保険料(会社員時代の約2倍)
- 国民年金(会社員時代は半額を企業が負担)
- 所得税・住民税(源泉徴収ではなく確定申告)
- 交通費・通信費・備品購入費
- 会計ソフトや保険などの経費
一般的に、会社員時代の年収の1.5~2倍程度の単価を設定することで、同等の手取り金額を確保できるといわれています。例えば、会社員時代の年収が500万円だった場合、フリーランスでは750~1,000万円を目標とするのが妥当でしょう。
スキルレベルと市場価値の見極め方
自分のスキルレベルを客観的に評価し、市場価値に見合った単価を設定することが重要です。以下のポイントで自己評価してみましょう。
技術スキルの評価基準
- 使用できるプログラミング言語の数と深さ
- フレームワークやライブラリの実務経験
- インフラ・クラウド技術の知識
- データベース設計・運用の経験
ビジネススキルの評価基準
- 要件定義から実装までの一貫した経験
- チーム開発・プロジェクト管理の経験
- クライアントとのコミュニケーション能力
- 問題解決能力と提案力
フリーランスエージェントに登録して市場価値を査定してもらうことも有効です。IT転職エージェント徹底比較では、フリーランス向けのエージェントも紹介していますので参考にしてください。
フリーランスエンジニアの手取り金額と税金
月単価が決まっても、実際に手元に残る金額は税金や保険料を差し引いた「手取り」です。フリーランスとして独立する前に、この手取り計算を正確に理解しておくことが重要です。

月収別の手取り金額シミュレーション
月収から差し引かれる主な項目は以下の通りです。
- 所得税(累進課税)
- 住民税(前年所得に基づく)
- 国民健康保険料
- 国民年金保険料(月額16,520円、2024年度)
月収80万円(年収960万円)の場合、以下のような概算になります。
項目 | 月額概算 | 年額概算 |
|---|---|---|
月収(年収) | 80万円 | 960万円 |
所得税 | 約8万円 | 約96万円 |
住民税 | 約6万円 | 約72万円 |
国民健康保険 | 約3万円 | 約36万円 |
国民年金 | 1.7万円 | 約20万円 |
手取り | 約62万円 | 約736万円 |
このように、月収80万円でも手取りは約62万円程度になります。手取り率は約77%です。
経費計上で節税する方法
フリーランスエンジニアは、事業に必要な支出を経費として計上することで、課税対象となる所得を減らし、税負担を軽減できます。
主な経費項目
- 通信費:インターネット回線、スマートフォン代
- 交通費:クライアント訪問、勉強会参加の交通費
- 書籍・教材費:技術書、オンライン講座の受講料
- ハードウェア・ソフトウェア:PC、モニター、開発ツールのライセンス
- 家賃・光熱費:自宅を事務所として使用する場合(按分計算)
- 会議費:クライアントとの打ち合わせでの飲食代
例えば、年収960万円のうち経費を150万円計上できれば、課税対象所得は810万円となり、税額が大幅に減少します。ただし、経費として認められるには事業との関連性が明確である必要があり、領収書やレシートの保管が必須です。
確定申告と青色申告のメリット
フリーランスエンジニアは毎年3月15日までに確定申告を行う必要があります。特に「青色申告」を選択することで、以下のような税制優遇を受けられます。
青色申告の主なメリット
- 青色申告特別控除:最大65万円の所得控除(e-Taxまたは電子帳簿保存を利用)
- 純損失の繰越控除:赤字を翌年以降3年間繰り越せる
- 家族への給与を経費計上:青色事業専従者給与として経費化
- 減価償却の特例:30万円未満の固定資産を一括経費計上
青色申告を行うには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。申請期限は開業から2カ月以内、または青色申告を受けようとする年の3月15日までです。
会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)を使えば、複式簿記の知識がなくても青色申告が可能です。年間1万円程度の投資で数十万円の節税効果が得られるため、必ず活用しましょう。
月単価を上げるための戦略
フリーランスエンジニアとして収入を増やすには、月単価を段階的に上げていく戦略が重要です。

需要の高いスキルを習得する
市場で需要が高く、供給が少ない技術スキルを習得することで、高単価案件を獲得しやすくなります。
2024年に需要が高いスキル
- クラウドインフラ:AWS、GCP、Azure の設計・構築
- コンテナ技術:Docker、Kubernetes
- AI・機械学習:Python、TensorFlow、PyTorch
- セキュリティ:脆弱性診断、セキュアコーディング
- モダンフロントエンド:React、Next.js、TypeScript
ITエンジニアのスキルアップ戦略では、効率的な学習方法について詳しく解説していますので、計画的なスキルアップの参考にしてください。
実績とポートフォリオの構築
クライアントが高単価を支払う判断基準は「この人に任せれば確実に成果が出る」という信頼です。その信頼を可視化するのが実績とポートフォリオです。
効果的なポートフォリオの要素
- GitHubでの公開プロジェクト(コード品質を示す)
- 技術ブログでの情報発信(知識の深さを示す)
- 過去プロジェクトの成果(数値で示せる実績)
- 推薦文やクライアントの声(信頼性の証明)
特に、実務経験が浅い段階では、個人プロジェクトやOSS貢献を通じてスキルを証明することが重要です。
高単価案件を獲得するコツ
高単価案件を獲得するには、案件の選び方と営業アプローチが重要です。
高単価案件の特徴
- プロジェクト全体の技術責任を任される案件
- 新規事業や重要プロジェクトの立ち上げ案件
- レガシーシステムの刷新・マイグレーション案件
- 専門性の高い技術領域(AI、ブロックチェーンなど)
高単価案件を獲得する営業戦略
- エージェント活用:高単価案件を扱うエージェントに複数登録
- 直接営業:企業のエンジニア採用ページから直接アプローチ
- リファラル:既存クライアントや知人からの紹介
- コミュニティ参加:技術コミュニティでの人脈形成
また、単価交渉のタイミングも重要です。業務量が増える場合やクライアントからの新たな案件のオファーを受けられる場合に単価交渉を行うと、提案が通る可能性が高くなります。
会社員エンジニアとの年収比較
フリーランスエンジニアと会社員エンジニア、どちらが有利なのかは一概には言えませんが、年収面での違いを理解しておくことは重要です。

収入の安定性とリスク
会社員エンジニアの平均年収は約580万円ですが、毎月固定給が支払われ、ボーナスも期待できます。一方、フリーランスエンジニアの平均年収は約850万円と高いものの、案件が途切れるリスクや収入の変動があります。
会社員エンジニアのメリット
- 毎月安定した給与
- 社会保険料の半額を会社が負担
- 有給休暇、育児休暇などの福利厚生
- 失業時の雇用保険
フリーランスエンジニアのメリット
- 高単価案件で収入アップの可能性
- 働く時間・場所の自由度
- 案件選択の自由
- スキルと実績次第で青天井の収入
SE(システムエンジニア)転職の完全ガイドでは、会社員としてのキャリアパスも詳しく解説していますので、比較検討の参考にしてください。
フリーランスに向いている人の特徴
フリーランスエンジニアとして成功しやすい人には、以下のような特徴があります。
- 自己管理能力が高い:納期管理、健康管理、モチベーション維持ができる
- コミュニケーション能力がある:クライアントとの調整、要件のヒアリングができる
- 継続的な学習意欲がある:技術トレンドをキャッチアップし続けられる
- 営業力がある:自分のスキルを適切にアピールし、案件を獲得できる
- リスク許容度が高い:収入の変動や不安定さを受け入れられる
逆に、安定を重視する人、組織で働くことに価値を感じる人、福利厚生を重視する人には、会社員エンジニアの方が適しているかもしれません。
参考リンク
本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしました。
- フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?言語・職種・経験年数別に紹介 - レバテックフリーランス
- フリーランスエンジニアの単価相場は?100万円目指す方法も紹介 - ITプロマガジン
- Software Developer Salaries in Japan: The Ultimate Guide - Japan Dev
まとめ:フリーランスエンジニアの年収を最大化するために
フリーランスエンジニアの年収相場は約850万円、月単価は65~80万円が平均的な水準ですが、スキルレベルや経験年数によって大きく変動します。月単価50万円を達成するには実務経験3年程度、80万円を目指すには5年以上の経験が必要とされています。
収入を最大化するためには、需要の高い技術スキルの習得、実績とポートフォリオの構築、適切な単価設定と交渉が重要です。また、手取り金額を増やすためには、経費計上や青色申告による節税対策も欠かせません。
フリーランスエンジニアとして成功するためには、技術力だけでなく、営業力、自己管理能力、コミュニケーション能力など、総合的なビジネススキルが求められます。DX・AI時代のIT転職戦略も参考にしながら、市場価値の高いエンジニアを目指しましょう。
フリーランスへの転身は大きな決断ですが、適切な準備と戦略があれば、会社員時代を大きく上回る収入と、自由な働き方を実現できる可能性があります。本記事で紹介した情報を活用し、あなたのキャリアプランに役立ててください。



