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IT転職と副業の税金:確定申告が必要なケース

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IT転職と副業の税金:確定申告が必要なケース

IT転職と副業の税金:確定申告が必要なケース

IT業界でキャリアを築く中で、副業を始める方が増えています。2024年の調査によると、上場企業の約70%が副業を認める時代になっており、ITエンジニアにとって副業は収入増加とスキルアップの両立に最適な選択肢です。しかし、副業を始めると必ず考えなければならないのが税金の問題です。

特に「確定申告が必要なケース」と「住民税の申告義務」を正しく理解していないと、思わぬペナルティを受ける可能性があります。この記事では、IT転職と副業における税金の基礎知識から、確定申告が必要なケース、節税のポイントまで徹底解説します。

副業で確定申告が必要な基準:20万円ルールとは

副業による確定申告の必要性を判断する上で、最も重要なのが「20万円ルール」です。これは、給与所得者が副業で得た所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要になるという基準です。

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所得と収入の違いを理解する

確定申告の判断で重要なのは「収入」ではなく「所得」です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額を指します。

計算式:所得 = 収入 - 必要経費

例えば、副業で年間30万円の収入があっても、パソコン代や通信費など15万円の経費がかかっていれば、所得は15万円となり、確定申告は不要になります。ITエンジニアの場合、以下のような経費が認められることが多いです:

  • パソコンやモニターなどの機材費
  • インターネット通信費
  • 技術書籍や教材費
  • クラウドサービスの利用料
  • 作業スペースの家賃(按分)

IT業界での副業とリモートワークについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

20万円ルールが適用されるケース

20万円ルールが適用されるのは、以下の条件を満たす場合です:

条件

詳細

給与所得者

会社員やパート・アルバイトなど、給与を受け取っている人

年末調整済み

本業で年末調整を受けている

副業所得

給与所得以外の所得(雑所得、事業所得など)が20万円以下

給与収入

年間2,000万円以下

参考:三菱UFJ銀行 - 副業に確定申告は必要?

確定申告が必要な具体的なケース

20万円ルール以外にも、確定申告が必要になるケースがあります。IT転職後に副業を始める場合、以下のケースに該当しないか確認しましょう。

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ケース1:副業所得が20万円を超える

最も一般的なケースです。フリーランス案件やブログ収入、YouTubeの広告収入など、すべての副業所得を合算して20万円を超えた場合は確定申告が必要です。

具体例:

  • プログラミング案件で月3万円の収入 → 年間36万円(確定申告必要)
  • ブログアフィリエイトで年間25万円の収入 → 確定申告必要
  • 技術記事執筆で年間15万円 + コンサル収入で年間10万円 = 合計25万円(確定申告必要)

ケース2:給与を2か所以上から受け取っている

本業以外にアルバイトやパートで給与を受け取っている場合、その給与収入が年間20万円を超えると確定申告が必要です。IT業界では、平日は正社員として働き、週末に別の会社でアルバイトをするケースが該当します。

ケース3:医療費控除や住宅ローン控除を受ける

副業所得が20万円以下であっても、医療費控除や住宅ローン控除などの各種控除を受けるために確定申告をする場合は、副業所得も一緒に申告する必要があります。これは、控除を受けることで所得税の還付を受けられる可能性があるためです。

参考:freee - 副業は確定申告が必要?

ケース4:年収2,000万円を超える

本業の給与収入が年間2,000万円を超える場合、副業の有無にかかわらず確定申告が必要です。IT業界では、上級エンジニアやマネージャー職で該当する可能性があります。

IT業界の年収ガイドでは、職種別・年齢別の詳細な年収情報を解説しています。

住民税の申告は20万円以下でも必須

確定申告と混同しやすいのが住民税の申告です。重要なポイントは、副業所得が20万円以下で確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必須ということです。

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住民税申告を怠った場合のペナルティ

住民税の申告を忘れると、以下のようなペナルティやデメリットが発生します:

ペナルティ

内容

延滞金

最大年14.6%の延滞金が科せられる

加算税

無申告加算税(5〜20%)が課される可能性

国保減額対象外

国民健康保険料の減額制度が受けられなくなる

証明書発行不可

課税証明書・非課税証明書が発行できない

信用情報への影響

ローン審査などに悪影響を及ぼす可能性

参考:弥生会計 - 副業所得20万以下なら確定申告と住民税の申告は不要?

住民税の納付方法:普通徴収と特別徴収

住民税の納付方法には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。

特別徴収(給与天引き): 会社が毎月の給与から住民税を天引きして納付する方法。本業の会社に副業の収入が知られる可能性があります。

普通徴収(自分で納付): 自宅に納付書が送られ、自分で納付する方法。確定申告の際に「自分で納付」を選択することで、副業分の住民税を普通徴収にできます。

副業を会社に知られたくない場合は、確定申告書の「住民税に関する事項」欄で「自分で納付」を選択しましょう。ただし、自治体によっては対応が異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

ITエンジニアの副業で認められる経費

副業所得を計算する際、経費として認められる項目を正確に把握することで、所得を抑え、税負担を軽減できます。ITエンジニアの副業で一般的に認められる経費は以下の通りです。

ハードウェア・機材費

  • ノートパソコン、デスクトップPC
  • モニター、キーボード、マウス
  • Webカメラ、マイク
  • ルーター、LANケーブル

ポイント: 10万円以上の機材は減価償却の対象になります。パソコンの場合、耐用年数4年で計算するのが一般的です。

ソフトウェア・サービス費

  • 開発環境のライセンス費用(Visual Studio、JetBrains製品など)
  • クラウドサーバー費用(AWS、GCP、Azureなど)
  • ドメイン・サーバー費用
  • 有料APIの利用料

通信費

  • インターネット回線費用(按分が必要)
  • モバイルWi-Fi費用
  • 携帯電話料金(業務使用分)

按分比率は、業務での使用時間や使用頻度に基づいて合理的に決定する必要があります。一般的には30〜50%程度が目安です。

書籍・教材費

  • 技術書籍
  • オンライン学習プラットフォームの月額費用(Udemy、Courseraなど)
  • 技術カンファレンスの参加費

ITエンジニアのスキルアップ戦略では、効果的な学習方法について詳しく解説しています。

その他の経費

  • 作業スペースの家賃(按分)
  • 電気代(按分)
  • 文房具、消耗品
  • 取引先との打ち合わせ費用(交通費、飲食費)

参考:INVOY - 副業に確定申告が必要ケースとは?

確定申告の手順とe-Taxの活用

確定申告は毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。IT転職後に副業を始めた方は、翌年の確定申告時期までに必要書類を準備しましょう。

確定申告に必要な書類

  1. 給与所得の源泉徴収票(本業の会社から受け取る)
  2. 副業の収支内訳書(収入と経費をまとめたもの)
  3. 各種控除証明書(医療費の領収書、住宅ローン控除証明書など)
  4. マイナンバーカードまたは通知カード
  5. 銀行口座情報(還付金の振込先)

e-Taxでのオンライン申告

e-Taxを利用することで、自宅から24時間いつでも確定申告が可能です。また、青色申告の場合は最大65万円の特別控除が受けられます(電子申告の場合)。

e-Taxのメリット:

  • 税務署に行く必要がない
  • 24時間申告可能
  • 還付金が早く振り込まれる(約3週間)
  • 青色申告特別控除の増額(55万円→65万円)

e-Taxの始め方:

  1. マイナンバーカードを取得
  2. ICカードリーダーまたはスマートフォンを準備
  3. e-Taxの利用者識別番号を取得
  4. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成
  5. データを送信

参考:Japan Living Guide - Tax implications for side hustle

IT転職と副業を両立するための税金戦略

IT転職と副業を成功させるためには、税金対策も含めた総合的な戦略が必要です。

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青色申告と白色申告の選択

副業の所得が事業所得として認められる場合、青色申告を選択することで最大65万円の特別控除が受けられます。ただし、青色申告には帳簿の作成義務があり、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

項目

青色申告

白色申告

特別控除

最大65万円

なし

帳簿作成

複式簿記(必須)

簡易簿記(任意)

事前申請

必要(開業から2か月以内)

不要

赤字繰越

3年間可能

不可

家族への給与

青色事業専従者給与として全額経費可

一部のみ

節税のためのポイント

  1. 経費をもれなく計上する:領収書を保管し、適切に経費を計上することで所得を抑えられます。
  2. 小規模企業共済に加入する:掛金が全額所得控除の対象となります(月額最大7万円)。
  3. ふるさと納税を活用する:所得に応じた上限額まで寄付することで、実質2,000円の負担で返礼品を受け取れます。
  4. iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する:掛金が全額所得控除の対象となり、老後資金も準備できます。

IT転職の働き方ガイドでは、副業とワークライフバランスの取り方について詳しく解説しています。

副業を事業化するタイミング

副業の収入が安定して月10万円を超えるようになったら、事業化(個人事業主の開業)を検討しましょう。開業届を提出することで、以下のメリットがあります:

  • 青色申告特別控除が受けられる
  • 屋号で銀行口座を開設できる
  • 小規模企業共済に加入できる
  • 社会的信用が高まる

フリーランスエンジニアへの転身ガイドでは、独立を考える際のポイントを詳しく解説しています。

まとめ:正しい税金知識で安心して副業を

IT転職後に副業を始める際、税金の知識は必須です。この記事で解説した重要なポイントをまとめます:

  1. 副業所得が20万円を超えたら確定申告が必要(所得=収入-経費)
  2. 20万円以下でも住民税の申告は必須(延滞金に注意)
  3. ITエンジニアは機材費や通信費など多くの経費が認められる
  4. e-Taxを活用すれば自宅から簡単に申告可能
  5. 青色申告を選択すれば最大65万円の特別控除
  6. 副業を会社に知られたくない場合は住民税を普通徴収に

正しい税金知識を身につけることで、安心して副業に取り組み、IT転職後のキャリアをさらに加速させることができます。確定申告の期限は毎年3月15日です。早めに準備を始め、余裕を持って申告しましょう。

IT業界でのキャリアアップを目指す方は、IT転職の完全ガイドもあわせてご覧ください。税金対策を含めた総合的な転職戦略で、理想のキャリアを実現しましょう。

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