インフラエンジニアの転職市場と需要の最新動向
インフラ・クラウドエンジニアの転職完全ガイド
インフラエンジニアの転職市場と需要の最新動向
インフラエンジニアの転職市場は、2025年現在、極めて活況を呈しています。レバテックキャリアの調査によると、クラウド移行やDX推進、セキュリティ強化の波を受け、企業のインフラエンジニアに対する需要は年々高まり続けています。本記事では、最新の統計データと市場動向をもとに、インフラエンジニアの転職市場の現状と将来展望を詳しく解説します。
インフラエンジニアの求人倍率と市場規模
インフラエンジニアの求人市場は、他のIT職種と比較しても非常に高い需要を示しています。厚生労働省のデータによると、2024年度のインフラエンジニアの求人倍率は全国平均で2.23倍を記録しており、求職者1人に対して2件以上の求人がある売り手市場が継続しています。
特に都市部での需要は顕著で、東京都では3.57倍、大阪府では3.88倍と、全国平均を大きく上回る水準となっています。これは、大手SIerやクラウドベンダー、グローバル企業の本社が集中する都市部において、レガシーシステムの刷新やクラウドインフラの整備が急ピッチで進められていることを反映しています。
IT業界全体の転職動向についてはこちらも参考にしてください。
日本全体のIT人材不足も深刻化しており、経済産業省の予測では2025-2026年に22万人、2030年までには60-80万人のIT人材が不足すると見込まれています。その中でも、インフラエンジニアは特に不足が深刻な職種の一つとして挙げられています。
2025年の転職市場トレンドとテクノロジー動向
2025年上半期のインフラエンジニア転職市場は、以下の3つの大きなトレンドによって特徴付けられています。
クラウドインフラの拡大
Robert Half Japanの調査によると、クラウド分野は2024年前年比20%の成長を記録しており、AWS、Azure、Google Cloudといった主要クラウドプラットフォームのスキルを持つエンジニアへの需要が急増しています。特に、オンプレミスからクラウドへの移行プロジェクトを担当できる経験者は、高額な年収条件で採用されるケースが増えています。
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ゼロトラストセキュリティの導入
リモートワークの定着により、従来の境界防御型セキュリティモデルからゼロトラストアーキテクチャへの移行が企業の急務となっています。セキュリティ領域に精通したインフラエンジニアの需要は今後さらに高まる見込みです。
DevOpsの普及
開発と運用の垣根を取り払うDevOpsの考え方が浸透し、インフラのコード化(Infrastructure as Code)やCI/CDパイプラインの構築スキルを持つエンジニアが高く評価されています。従来の運用保守だけでなく、開発プロセス全体を理解できる人材が求められています。
インフラエンジニアの年収水準と給与テーブル
インフラエンジニアの年収は、スキルレベルや担当する工程によって大きく異なります。2025年1月時点のデータによると、正社員として働くインフラエンジニアの平均年収は443~494万円となっており、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
ただし、年収の幅は400万円から1,000万円以上まで非常に広く、個人のスキルセットと経験によって大きな差が生まれています。以下の表は、スキルレベル別の年収目安をまとめたものです。
スキルレベル | 年収目安 | 対象者 |
|---|---|---|
エントリーレベル | 400~500万円 | 未経験~経験3年未満、運用保守中心 |
ミドルレベル | 500~700万円 | 経験3~7年、設計・構築を一人でこなせる |
シニアレベル | 700~900万円 | 経験7年以上、上流工程を担当 |
エキスパート/リーダー | 900~1,200万円 | チームリーダー、高度な専門性保有 |
IT業界の年収ガイドで、他職種との比較も確認できます。
年収を大きく左右する要素として、担当する工程があります。運用保守といった下流工程よりも、要件定義・設計・構築といった上流工程を担うエンジニアの方が、技術力と責任範囲が高く評価され、年収も高くなる傾向があります。年収800万円以上の求人は、主にこうした上流工程を担当できるスペシャリストやチームリーダー向けに用意されています。
企業が求めるスキルセットの変化
インフラエンジニアに求められるスキルは、時代とともに大きく変化しています。従来のサーバー管理やネットワーク構築に加えて、以下のようなスキルが重視されるようになっています。

クラウドプラットフォームの専門知識
AWS認定ソリューションアーキテクト、Azure Administrator、Google Cloud Professional Cloud Architectなどの資格取得者は、実務経験と合わせて高く評価されます。特に、マルチクラウド環境の設計・運用経験は希少価値が高く、転職市場での競争力を大きく高めます。
IT資格で転職を有利にする完全ガイドで、取得すべき資格を確認しましょう。
自動化とプログラミングスキル
TerraformやAnsibleなどのInfrastructure as Codeツールの活用経験、Python、Go、Shellスクリプトなどのプログラミングスキルは、現代のインフラエンジニアにとって必須となりつつあります。手作業による設定から、コードによる自動化へのシフトが進んでいます。
コンテナとオーケストレーション
Docker、Kubernetes、ECSなどのコンテナ技術は、モダンなインフラ構築において標準的な技術となっています。これらの技術を実務で活用できるエンジニアへの需要は非常に高く、今後も増加が見込まれています。
セキュリティとコンプライアンス
情報セキュリティマネジメント、ネットワークセキュリティ、クラウドセキュリティの知識に加えて、各種コンプライアンス要件(GDPR、個人情報保護法など)への対応経験も評価されます。
業種別・企業タイプ別の求人動向
インフラエンジニアの求人は、業種や企業タイプによって特徴が異なります。

SIer(システムインテグレーター)
大手SIerでは、大規模なシステム刷新プロジェクトやクラウドマイグレーション案件が増加しており、プロジェクトマネジメント経験のあるシニアエンジニアの採用が活発です。年収は500~900万円程度で、上流工程を担当できる人材には1,000万円を超える条件も提示されます。
IT企業の種類と選び方で、企業タイプごとの特徴を詳しく解説しています。
Web系企業・スタートアップ
急成長中のWeb系企業やスタートアップでは、クラウドネイティブなインフラ構築やDevOpsの推進役として、フルスタック的なスキルを持つエンジニアが求められています。年収は400~800万円程度ですが、ストックオプションなどの追加報酬が用意されることもあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)
SES企業では、クライアント先に常駐してインフラ構築や運用を担当する案件が中心です。多様なプロジェクトに参加できる反面、案件によって求められるスキルや働き方が大きく異なります。年収は350~700万円程度が一般的です。
事業会社(金融、医療、製造など)
自社システムを持つ事業会社では、安定した環境でインフラの企画から運用まで一貫して携わることができます。業界知識と技術スキルの両方が評価され、年収は500~1,000万円程度となることが多いです。
業種別IT転職ガイドで、各業界の特性を確認できます。
未経験からインフラエンジニアへの転職可能性
インフラエンジニアは、他のIT職種と比較すると未経験からの転職のハードルがやや高いとされています。しかし、適切な学習とスキル習得により、十分に転職可能な職種です。
未経験者が身につけるべき基礎知識
- LinuxやWindowsServerの基本操作
- ネットワークの基礎(TCP/IP、DNS、ルーティングなど)
- クラウドプラットフォームの基礎(AWS/Azure/GCP)
- 仮想化技術の理解(VMware、Hyper-Vなど)
未経験からのIT転職完全攻略で、学習ロードマップを詳しく解説しています。
推奨される資格
未経験者がインフラエンジニアを目指す場合、以下の資格取得が転職活動で有利に働きます。
- LPIC-1 / LinuC-1(Linux技術者認定)
- CCNA(シスコ認定ネットワークアソシエイト)
- AWS認定クラウドプラクティショナー
- 基本情報技術者試験
これらの資格は、基礎的な技術知識を体系的に学べるだけでなく、採用担当者に対して学習意欲と基礎能力を証明する材料となります。
インフラエンジニアのキャリアパスと将来展望
インフラエンジニアのキャリアパスは多様化しており、技術を深める道と、マネジメントや企画に進む道の両方があります。

技術スペシャリストとしてのキャリア
特定の技術領域(クラウド、セキュリティ、ネットワークなど)のエキスパートとして深い専門性を追求する道です。大手企業やコンサルティングファームでは、このようなスペシャリストに対して高額な報酬を用意しています。年収1,000万円以上も十分に狙える領域です。
SREエンジニアへの転身
SRE(Site Reliability Engineering)は、GoogleやAmazonなどの大手テック企業で生まれた新しい職種で、インフラの信頼性と効率性を追求します。開発とインフラの両方のスキルを活かせる魅力的なキャリアパスとして注目されています。
ITエンジニアのキャリアパス設計ガイドで、長期的なキャリア戦略を考えましょう。
プロジェクトマネージャー・ITコンサルタント
技術的な知識を基盤に、プロジェクト全体の管理や企業のIT戦略立案に関わる道です。コミュニケーション能力やビジネス視点が求められますが、年収800万円以上の高収入が期待できます。
フリーランス・独立
十分な経験とスキルを積んだ後、フリーランスとして独立する選択肢もあります。案件単価は月額60~120万円程度が相場で、年収換算で1,000万円を超えることも珍しくありません。
フリーランスエンジニアへの転身ガイドで、独立のメリット・デメリットを確認できます。
転職成功のための戦略とポイント
インフラエンジニアとして転職を成功させるためには、市場動向を理解した上で、戦略的にキャリアを構築することが重要です。

スキルの可視化とポートフォリオ作成
GitHubなどでInfrastructure as Codeのサンプルを公開したり、技術ブログで学習内容をアウトプットしたりすることで、スキルを可視化できます。実務経験が少ない場合でも、自主的な学習姿勢とスキルを示すことができます。
IT転職の履歴書・職務経歴書の書き方ガイドで、効果的なアピール方法を学びましょう。
転職エージェントの活用
IT業界専門の転職エージェントは、非公開求人の紹介や給与交渉のサポートなど、転職活動を有利に進めるための強力なパートナーとなります。特にインフラエンジニアの求人に強いエージェントを選ぶことが重要です。
IT転職エージェント徹底比較で、自分に合ったエージェントを見つけましょう。
継続的なスキルアップ
技術の変化が激しいIT業界では、継続的な学習が不可欠です。オンライン学習プラットフォーム、技術カンファレンス、コミュニティ活動などを通じて、常に最新の技術動向をキャッチアップしましょう。
ITエンジニアのスキルアップ戦略で、効果的な学習方法を紹介しています。
面接対策の徹底
インフラエンジニアの面接では、技術的な質問に加えて、過去のプロジェクト経験やトラブル対応の経験などが深掘りされます。STAR法(Situation, Task, Action, Result)を使って、具体的なエピソードを準備しておくことが重要です。
IT転職の面接対策完全マニュアルで、面接の流れと対策を確認しましょう。
まとめ:インフラエンジニアの転職市場は今後も拡大
インフラエンジニアの転職市場は、2025年現在も極めて好調であり、今後も需要の拡大が見込まれています。求人倍率は全国平均で2.23倍、都市部では3倍以上と高水準を維持しており、クラウド、セキュリティ、DevOpsといった最新技術のスキルを持つエンジニアには、多数の選択肢が用意されています。
年収面でも、スキルと経験次第で400万円から1,000万円以上まで幅広いレンジがあり、特に上流工程を担当できるエンジニアやスペシャリストには高額なオファーが提示されています。
未経験からの転職も、適切な学習と資格取得により十分に可能です。まずは基礎的な技術知識を身につけ、クラウドやLinuxの実務スキルを磨くことから始めましょう。
インフラエンジニアとしてのキャリアは、技術を深める道、マネジメントに進む道、フリーランスとして独立する道など、多様な選択肢があります。自分の興味と適性に合わせて、長期的なキャリアビジョンを描き、戦略的にスキルを積み上げていくことが、転職成功とその後のキャリア成長につながります。
2025年以降も、DX推進やクラウド移行の波は続き、インフラエンジニアの重要性はさらに高まるでしょう。今こそ、スキルアップと転職準備を始める絶好のタイミングです。



