Web系企業の特徴と転職するメリット・デメリット
IT企業の種類と選び方【SIer・Web系・SES】
Web系企業の特徴と転職するメリット・デメリット
IT転職を考える際、「Web系企業」という言葉を頻繁に目にするものの、具体的にどのような企業を指すのか、転職するメリットやデメリットは何なのか、明確に理解している方は意外と少ないかもしれません。本記事では、Web系企業の定義や特徴から始まり、転職する際のメリット・デメリット、さらには企業選びのポイントまで徹底解説します。IT業界でのキャリアを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Web系企業とは?その定義と特徴
Web系企業とは、インターネットの仕組みを使ったシステムを開発・運営するIT企業のことを指します。具体的には、ECサイト(楽天、Amazon等)、SNS(Twitter、Instagram等)、動画配信サイト(YouTube、Netflix等)、予約サイトなど、私たちが日常的に利用しているWebサービスやアプリケーションを開発している企業です。

Web系企業の大きな特徴は、比較的若い企業が多く、スピード感を持った開発体制を取っていることです。IT企業の種類と選び方でも詳しく解説していますが、従来のSIer企業とは異なり、Web系企業は自社でサービスを開発・運営することが多いため、ユーザーの反応を直接見ながら改善を重ねていくスタイルが主流です。
世界的に見ても、Web開発市場は急成長しており、CompTIAによると世界のIT支出は2025年に5.75兆ドル(前年比9.3%増)に達すると予測されています。また、Digital Silkの調査では、グローバルなWeb開発市場は2027年までに105億ドル規模になるとされており、Web系企業への転職ニーズは今後も高まっていくでしょう。
Web系企業ではアジャイル開発という開発手法が広く採用されています。これは短いサイクルで機能を追加・改善していく手法で、ユーザーのフィードバックに素早く対応できるメリットがあります。SIerで主流のウォーターフォール型開発とは対照的で、柔軟性とスピードを重視する点が特徴的です。
Web系企業に転職するメリット
1. 最新技術に触れられる環境
Web系企業の最大のメリットは、新しい技術や開発手法が積極的に導入されることです。90%のエンジニアリングチームがAIをワークフローに組み込んでいるというデータもあり、機械学習やクラウド技術など、最新のテクノロジーに触れる機会が豊富です。

技術トレンドの変化が激しいIT業界において、最新技術を実務で扱える環境は、ITエンジニアのスキルアップ戦略でも重要視されているように、エンジニアとしての市場価値を高める上で非常に重要です。Web系企業では、React、Vue.js、TypeScript、Go言語、Kubernetesなど、モダンな技術スタックを採用している企業が多く、スキルの陳腐化を防ぎやすい環境と言えます。
2. 柔軟な働き方が可能
Web系企業は、リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を認めている企業が多いのも大きな魅力です。IT転職の働き方ガイドでも詳しく解説していますが、場所や時間に縛られない働き方ができることで、個々のライフスタイルに合わせたワークライフバランスの実現が可能になります。
特に2024年のデータでは、モバイルデバイスからのウェブサイトトラフィックが63%を占めており、モバイルファーストの開発が主流となっています。このような開発スタイルは場所を選ばずに作業できるため、リモートワークとの相性も抜群です。
3. ユーザーとの距離が近い
Web系企業では、ユーザーの反応をSNSやアプリストアの評価などで直接確認できるため、自分の仕事が社会に与える影響を実感しやすい環境です。開発したサービスが多くの人に使われ、喜びの声や改善要望が直接届くことは、エンジニアとしてのモチベーション維持につながります。
大規模システムの一部を開発するSIerとは異なり、サービス全体を見渡しながら開発できるため、プロダクトオーナーシップを持って仕事に取り組めます。これはITエンジニアのキャリアパス設計においても、将来的にCTO(最高技術責任者)やプロダクトマネージャーを目指す上で貴重な経験となります。
4. 幅広い業務経験が積める
特にスタートアップのWeb系企業では、フロントエンド・バックエンド・インフラまで幅広く担当する機会があります。一人で複数の領域を経験できることで、フルスタックエンジニアとしてのスキルを身につけやすく、将来の選択肢が広がります。
メリット | 具体例 | キャリアへの影響 |
|---|---|---|
最新技術の習得 | React、TypeScript、AWS等 | 市場価値の向上 |
柔軟な働き方 | リモートワーク、フレックス制 | ワークライフバランス改善 |
ユーザー反応の可視化 | SNS、レビュー、アクセス解析 | モチベーション向上 |
幅広い業務経験 | フロント・バックエンド・インフラ | スキルの多様化 |
意思決定への参加 | 機能提案、技術選定 | ビジネススキル習得 |
Web系企業に転職するデメリット
1. 給与水準が期待より低い場合がある
Web系企業、特にスタートアップやベンチャー企業では、SIer大手企業と比較して給与水準が低いケースがあります。「薄利多売で給料が上がりづらい」という指摘もあり、IT業界の年収ガイドを参考に、企業規模や事業モデルによる年収差を事前に把握しておくことが重要です。

ただし、大手Web系企業(メルカリ、サイバーエージェント、LINE等)では競争力のある給与を提示しているケースも多く、一概にWeb系=低年収とは言えません。企業選びの際は、給与だけでなく、ストックオプションや福利厚生も含めた総合的な待遇を確認しましょう。
2. 事業の安定性に不安がある
Web系企業、特にスタートアップは、事業の安定性がSIer大手企業に比べて低い傾向にあります。資金調達の状況やビジネスモデルの収益性によっては、サービス終了や事業縮小のリスクも存在します。
CompTIAの調査によると、IT業界全体は成長傾向にあるものの、個別企業のリスクは常に存在します。転職前には、企業の財務状況や直近の資金調達情報を確認し、安定性を見極めることが大切です。
3. 残業が多い傾向
Web系企業では、納期前や繁忙期に残業が増える傾向があります。特にスタートアップ企業では、人手不足から一人当たりの業務量が多くなりがちです。リリース直前のバグ修正や突発的な障害対応など、スピード重視の開発体制ゆえの課題もあります。
企業選びの際は、平均残業時間や休日出勤の頻度、有給取得率などを確認し、IT転職の面接対策でも触れているように、面接時に働き方について率直に質問することをおすすめします。
4. 継続的な学習が必須
Web系企業で使われる技術は進化のスピードが非常に速いため、常に新しいスキルを身につけ続ける必要があります。「ついていけない」と感じる人がいるのも事実で、自己学習へのコミットメントが求められます。
ただし、これは見方を変えれば、常に成長できる環境とも言えます。DX・AI時代のIT転職戦略でも解説していますが、技術変化に対応できるエンジニアこそ、今後のIT業界で求められる人材です。
デメリット | 具体的なリスク | 対策 |
|---|---|---|
給与水準 | SIer大手より低い場合あり | 企業規模・ストックオプション確認 |
事業安定性 | スタートアップのリスク | 財務状況・資金調達履歴を調査 |
残業 | 納期前・障害対応で増加 | 面接で労働環境を確認 |
学習負担 | 技術変化への対応必須 | 継続的な自己学習体制の構築 |
プレッシャー | ユーザー反応が直接見える | ストレス耐性・メンタルケア |
Web系企業の選び方と注意点
自社開発か受託開発かを確認する
Web系企業には、自社でサービスを開発・運営している「自社開発企業」と、クライアントから案件を受注する「受託開発企業」があります。自社開発企業では一つのサービスに深く関われる一方、受託開発企業では多様なプロジェクト経験が積めます。

IT企業の種類と選び方でも詳しく解説していますが、自分のキャリアビジョンに合わせて、どちらの事業モデルが適しているか検討しましょう。
企業規模と成長フェーズを見極める
Web系企業は、創業2〜3年のシード期スタートアップから、上場している大手企業まで規模が様々です。企業規模によって、以下のような違いがあります:
- 大手Web系企業:制度が整っており、福利厚生が充実。教育体制も整備されている
- ミドルステージ:成長性と安定性のバランスが取れている。キャリアアップのチャンスも豊富
- スタートアップ:幅広い業務経験が積めるが、業務負荷が高い。ストックオプションなど将来的な報酬の可能性
未経験からのIT転職を目指す方は、教育体制が整っている大手企業から始めるのも一つの選択肢です。
技術スタックを確認する
企業が採用している技術スタックは、自分のキャリアに直結する重要な要素です。例えば、モダンなJavaScriptフレームワーク(React、Vue.js)を使っているか、クラウドインフラ(AWS、GCP、Azure)を活用しているか、コンテナ技術(Docker、Kubernetes)を導入しているかなど、技術的な先進性を確認しましょう。
プログラミング言語別IT転職ガイドも参考に、自分が習得したい技術を扱える環境かどうかを見極めることが大切です。
研修制度とキャリアパスを確認する
特に未経験からの転職や経験が浅い方は、研修制度の充実度を必ず確認しましょう。実際に未経験から活躍している社員がいるか、メンター制度があるか、技術書購入補助や勉強会参加支援があるかなど、育成環境が整っているかがポイントです。
また、ITエンジニアのキャリアパス設計で解説しているように、将来的にどのようなキャリアを描けるのか(テックリード、エンジニアリングマネージャー、CTO等)も事前に確認しておくと良いでしょう。
Web系企業への転職を成功させるポイント
Web系企業への転職を成功させるためには、まずポートフォリオの準備が重要です。GitHubに公開している個人プロジェクトや、実際に動くWebアプリケーションを作成しておくと、技術力の証明になります。
次に、転職エージェントの活用も効果的です。IT転職エージェント徹底比較で紹介しているように、Web系企業に強いエージェントを選ぶことで、非公開求人への応募や、企業とのマッチング精度を高めることができます。
面接対策としては、「なぜWeb系企業を選ぶのか」「どのような技術を学びたいのか」「将来どのようなエンジニアになりたいのか」といった質問に対して、明確に答えられるよう準備しておきましょう。IT転職の面接対策完全マニュアルも併せて参考にしてください。
まとめ:Web系企業への転職は慎重に検討を
Web系企業への転職は、最新技術に触れられる、柔軟な働き方ができる、ユーザーとの距離が近いなど、多くのメリットがあります。一方で、給与水準や事業安定性、継続的な学習が必要といったデメリットも存在します。
重要なのは、自分のキャリアビジョンやライフスタイルに合った企業を選ぶことです。企業規模、事業モデル、技術スタック、労働環境など、様々な観点から総合的に判断し、後悔のない転職を実現しましょう。
IT転職の完全ガイドやIT転職サイト・求人サービスの使い方ガイドも活用しながら、自分に最適なWeb系企業を見つけてください。IT業界は今後も成長が見込まれる分野であり、適切な準備と企業選びによって、充実したキャリアを築くことができるでしょう。



