クラウドサービス(AWS/GCP/Azure)の学習法
ITエンジニアのスキルアップ戦略【学習と成長】
クラウドサービス(AWS/GCP/Azure)の学習法
クラウドサービスの学習は、現代のITエンジニアにとって必須のスキルとなっています。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)という3大クラウドサービスは、それぞれ異なる強みと特徴を持っており、適切な学習戦略を立てることが重要です。本記事では、各クラウドサービスの特徴から効果的な学習方法まで、実践的なガイドを提供します。
2026年現在、クラウドコンピューティング市場は8,000億ドルを超え、年率18.91%の成長を続けています。AWSが31%のシェアで首位を維持し、Azureが25%、GCPが11%と続いています。Fortune 500企業の78%がマルチクラウド戦略を採用していることからも、複数のクラウドサービスに対する理解がキャリアアップに直結することが分かります。
3大クラウドサービスの特徴比較
クラウドサービスを学習する前に、それぞれの特徴を理解することが重要です。下記の比較表で、AWS、Azure、GCPの主な違いを確認しましょう。
サービス | 市場シェア | 強み | 学習難易度 | おすすめユーザー |
|---|---|---|---|---|
AWS | 31% | サービス数が最多、日本語リソース豊富 | ★★☆☆☆ | クラウド初心者、汎用的なスキルを身につけたい方 |
Azure | 25% | Microsoft製品との統合、エンタープライズ向け | ★★★★☆ | .NET開発者、既存Microsoft環境の企業 |
GCP | 11% | ビッグデータ・AI/ML、Google技術の活用 | ★★★☆☆ | データサイエンティスト、機械学習エンジニア |
AWSは最も歴史が長く、200以上のサービスを提供しているため、ほぼすべてのユースケースに対応できます。一方、GCPはGoogleの検索エンジンやYouTubeで使われている技術を基盤としており、BigQueryなどのビッグデータ処理に優れています。Azureは既存のMicrosoft製品(Office 365、Active Directoryなど)との親和性が高く、企業での導入がスムーズです。
AWS学習の始め方と推奨ルート
AWSは日本語の学習リソースが最も豊富で、初心者に最適なクラウドサービスです。まずは無料利用枠(Free Tier)を活用して、実際に手を動かしながら学ぶことが効果的です。

ステップ1: 基礎概念の理解
最初に押さえるべきは、以下の基本サービスです。
- EC2(Elastic Compute Cloud): 仮想サーバーの作成と管理
- S3(Simple Storage Service): オブジェクトストレージサービス
- RDS(Relational Database Service): マネージドデータベースサービス
- IAM(Identity and Access Management): アクセス権限の管理
- VPC(Virtual Private Cloud): ネットワーク環境の構築
これらのサービスは、AWSの基盤となる要素であり、IT資格で転職を有利にする完全ガイドでも詳しく解説しているように、AWS認定資格の取得にも直結します。
ステップ2: ハンズオン学習
AWS公式が提供するAWS Skill Builderや、Udemyの日本語コースを活用して、実際にリソースを作成しながら学習しましょう。特に以下のプロジェクトがおすすめです。
- 静的WebサイトのS3ホスティング
- EC2とRDSを使った簡単なWebアプリケーション構築
- Lambdaを使ったサーバーレスアプリケーション
ステップ3: 認定資格の取得
AWS認定資格は、ITエンジニアのスキルアップ戦略において重要な位置を占めています。まずは「AWS認定クラウドプラクティショナー」から始め、次に「AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト」を目指すのが一般的なルートです。
Azure学習の効果的なアプローチ
Azureは既存のMicrosoft製品との統合が容易で、エンタープライズ環境での採用が進んでいます。しかし、日本語ドキュメントがAWSに比べて少ないため、体系的な学習計画が必要です。
Azureの学習順序
- Azure Portal操作の習得: Web UIでのリソース管理を学ぶ
- コアサービスの理解: Virtual Machines、Storage Account、SQL Databaseなど
- Azure Active Directoryの理解: 認証・認可の仕組み
- DevOpsツールの活用: Azure DevOps、GitHub Actionsとの連携
Microsoft Learnという無料の学習プラットフォームでは、サンドボックス環境で実際にAzureを操作しながら学べます。特に.NET開発者にとっては、Visual StudioやVS Codeとの統合が優れているため、開発体験が向上します。
Azure認定資格の選び方
Azureの認定資格は役割ベース(Role-based)で設計されており、自分のキャリアパスに応じて選択できます。
- AZ-900(Azure Fundamentals): クラウド初心者向け
- AZ-104(Azure Administrator): インフラ管理者向け
- AZ-204(Azure Developer): アプリケーション開発者向け
- AZ-305(Azure Solutions Architect): アーキテクト向け
IT業界の職種図鑑で紹介されている各職種に応じて、適切な認定資格を選びましょう。
GCP学習の実践的ガイド
GCPはビッグデータ処理とAI・機械学習開発に強みがあり、データエンジニアや機械学習エンジニアにとって重要なスキルです。Google独自の技術を活用できる点が最大の魅力です。

GCPの重点学習項目
GCPを学ぶ際は、以下のサービスを優先的に習得しましょう。
データ処理・分析系
- BigQuery: サーバーレスデータウェアハウス
- Dataflow: ストリーム・バッチデータ処理
- Pub/Sub: メッセージングサービス
機械学習系
- Vertex AI: 統合型機械学習プラットフォーム
- AutoML: コーディング不要のML開発
- TensorFlow on GCP: 大規模機械学習
コンピューティング系
- Compute Engine: 仮想マシン
- Google Kubernetes Engine(GKE): マネージドKubernetes
- Cloud Run: サーバーレスコンテナ実行環境
GCPのハンズオン学習リソース
Google Cloud Skills Boostでは、無料と有料のラボが提供されており、実際のGCP環境で演習できます。Qwiklabsという学習プラットフォームを通じて、段階的にスキルを習得できます。
特に「Google Cloud Essentials」というクエストから始めると、基本的な操作を効率よく学べます。また、DX・AI時代のIT転職戦略で解説しているように、AIやデータ分析のスキルは今後ますます重要になるため、GCPの学習は戦略的な投資と言えます。
マルチクラウド学習戦略
現代のエンタープライズ環境では、78%の企業がマルチクラウド戦略を採用しています。複数のクラウドサービスを学ぶことで、キャリアの選択肢が大きく広がります。

効率的なマルチクラウド学習の順序
- 1つ目のクラウド(推奨: AWS): まずは1つのクラウドサービスを深く学ぶ
- 共通概念の理解: IaaS、PaaS、SaaS、リージョン、ゾーンなどの基本概念
- 2つ目のクラウドへの展開: 既存知識を活かして、サービスの対応関係を学ぶ
- 差分学習: 各クラウド固有の機能と強みを理解する
下記の表は、3大クラウドの主要サービスの対応関係を示しています。
サービス種類 | AWS | Azure | GCP |
|---|---|---|---|
仮想マシン | EC2 | Virtual Machines | Compute Engine |
オブジェクトストレージ | S3 | Blob Storage | Cloud Storage |
データベース(RDB) | RDS | SQL Database | Cloud SQL |
コンテナオーケストレーション | EKS | AKS | GKE |
サーバーレス関数 | Lambda | Functions | Cloud Functions |
ビッグデータ分析 | EMR/Redshift | Synapse Analytics | BigQuery |
この対応表を理解することで、1つのクラウドで学んだ知識を他のクラウドに効率的に応用できます。プログラミング言語別IT転職ガイドでも触れていますが、技術の「横展開」能力は、エンジニアの市場価値を高める重要な要素です。
実務経験を積むための実践プロジェクト
学習の最終段階では、実際のプロジェクトを通じて経験を積むことが重要です。以下のプロジェクトアイデアは、ポートフォリオにも活用できます。
初級プロジェクト
- 個人ブログのクラウドホスティング(S3 + CloudFront)
- サーバーレスAPIの構築(Lambda + API Gateway)
- 静的Webサイトの自動デプロイ(GitHub Actions連携)
中級プロジェクト
- マイクロサービスアーキテクチャの構築(EKS/AKS/GKE)
- データパイプラインの実装(データ収集→加工→可視化)
- CI/CDパイプラインの構築(コード→ビルド→テスト→デプロイ)
上級プロジェクト
- マルチリージョン対応の高可用性システム
- 機械学習モデルのデプロイと推論API
- セキュリティベストプラクティスの実装(IAM、暗号化、監査ログ)
これらのプロジェクトを通じて、SE(システムエンジニア)転職の完全ガイドで求められる実践的なスキルを身につけることができます。
まとめ: クラウド学習でキャリアを加速させる
クラウドサービスの学習は、現代のITエンジニアにとって避けて通れないステップです。AWSは豊富な学習リソースと汎用性で初心者に最適、Azureはエンタープライズ環境とMicrosoft製品との統合に強み、GCPはデータ分析とAI/MLに特化しています。
IT転職の完全ガイドでも強調しているように、クラウドスキルは転職市場で高く評価されます。まずは1つのクラウドサービスを選び、認定資格の取得を目指しながら、実践的なプロジェクトに取り組むことで、着実にスキルを積み上げていきましょう。マルチクラウドの知識を持つエンジニアは、今後ますます需要が高まることが予想されます。


